
「ドラえもんのうた」をロマサガ風にアレンジしてみました。
●作るきっかけ
今から半年ほど前に、長年の夢だった「ロマサガ風アレンジ」の試作に初めて取り組んでみました。
(ロマサガ風アレンジとはその名の通り、ある楽曲をゲーム「ロマンシング サ・ガ」の音楽風にアレンジする試みのこと)
こちらがその時に出来た「津軽海峡・冬景色」のロマサガ風アレンジ
これを作りながら浮かんだのは、「ひょっとしてこの世のほとんどの曲はロマサガ風にアレンジし直すことができるのでは?」という奇妙な考えでした。
既存の曲をロマサガ的な要素を満たすように作り変えれば、全ての曲はロマサガ風になってしまうのでは…そんな未知の地平が幻のように見えた気がしたのです。
私のこの考えが正しいのかどうかを確かめるため、今回は2作目のロマサガ風アレンジ曲を作ってみることにしました。
●アレンジした結果
で早速ですが、完成した曲がこちらになります!
「ドラえもんのうた」のロマサガ風アレンジである
ドラえもんとロマサガが融合したこの曲を是非お聴きください!
●制作のポイント
…とまあ今回の記事は上の動画が全てなのですが、これだけで終わってしまうのも何なので、制作物のポイントをいくつか説明してまいります。
@イラストもロマサガ風に
一つ目のポイントは曲とは別ですが、動画でいちばん目を引く「イラスト」についてです。

カッコいいのび太(とその仲間たち)
このイラストは私が描いたものではなく、hirakawa sさんというアーティストの方にお願いして制作して頂いたものになります。
「ドラえもんのキャラクターを小林智美氏(ロマサガのイラストを担当)の画風で描いてほしい」と依頼したところ、意図をよく汲んで下さり、上の絵を仕上げて頂きました。
なんかもう…ぐっと毛穴が開くようなインパクトのある絵になっており、これだけで今回のロマサガ風アレンジに取り組んだ甲斐があったというものです。
Aイントロは「呼び醒まされた記憶」風に
ここからは曲についてです。
「ドラえもんのうた」でまず印象的なのは、3連符のメロディで始まるイントロです。
原曲はこちら
明るい未来とか希望とかを感じさせてくれる、曲のテーマにぴったり合致したイントロだと思います。
この部分をロマサガ風に作り変えるにあたって、ロマサガ1の「呼び醒まされた記憶」という曲を参考にすることにしました。

ドラえもんのイントロと、「呼び醒まされた記憶」のイントロをミックスした様子。よく見るとこの2つは音形が結構似ている
長調を短調に変えているのと、メロディとベースラインが少しずつ下降しているのが相まって、明るさとか希望の要素が薄くなりロマサガ的なダーク感が醸し出せたと思います。
BAメロは「ラストバトル」風に
続いてはAパートのメロディについてです。
先ほどのイントロと同様に原曲のAメロは3連符で跳ねており、ドラえもんというアニメが持つ明るさ、愉快さが的確に表現されています。
原曲のこのような特徴はロマサガの曲の特徴とは相反するものですので、作り変えていく必要があります。

Aメロはロマサガ3のラスボスの曲をミックス!
ラスボス曲のメロディ要素とコード進行を取り入れることで、Aメロも暗く妖しい感じになりました!
Cロマサガ的アルペジオ
ロマサガの曲のひとつ大きな特徴と言えば、随所に用いられる16分の細やかなアルペジオのフレーズです。
ストリングスの音で奏でられるこのアルペジオは、ロマサガ特有の優美さや疾走感を表現するのに一役買っており、ロマサガ風アレンジをするにあたって外せない要素です。

というわけでAメロ-Bメロ間には、ロマサガ1の「決戦!サルーイン」のフレーズを挿入
…などなど、ドラえもんに「これぞロマサガ!」な要素を詰め込んだ結果、上記の動画が完成しました!
●終わりに
今回は私にとって2作目となるロマサガ風アレンジに取り組んでみました。
作りながら思ったのは、やはりこのアレンジの面白さと難しさです。
元々の曲にロマサガ的な要素を追加したり置き換えたりする過程で、たまにパズルのピースがバチッと嵌まるような感覚になることがあって、そういう時にはとても「してやったり!」な気分になります。
一方で、全く方向性の異なる曲同士を組み合わせることをしているので、不自然な感じになることも多くあり、完成までにけっこう膨大な試行錯誤が必要となりました。
ひとつの曲を作るってやっぱり大変なんだな〜と改めて感じた次第です。
ただ、「ドラえもんのうた」がロマサガ風にアレンジできるのであれば、他の曲でも(サザエさんでもちびまる子ちゃんでも…別にアニメの主題歌じゃなくても!)同様のアレンジが出来るはずです。
このアレンジについてはまだまだ追求する余地がありそうですので、引き続き鋭意取り組んでいきたいところです。