
DPZ編集部の古賀さんと石川さんがこの記事についてコメントされています。(ありがとうございます!)
以下、記事本文には書ききれなかった点について、補足的に記しておきたいと思います。
●「時限爆弾」の設計過程
記事ではわりと簡単に電子回路の部分を作ったようになっていますが、実際にはいろいろと試行錯誤した上でこの形に落ち着いています。
(記事的にはこの試行錯誤の跡をもう少し触れた方が良かったのかもしれませんが・・・次回以降の反省材料ですね)
まず設計開始段階では、一つのマイコンが一括して全ての制御を行なうことを考えていました。
「全ての制御」というのは主に次の3つです。
@赤と青の線が切れているかの判別
A7セグLEDタイマのカウントダウン制御
B @の判別に応じた、スピーカーへの2種類の異なる音の出力

これが初期構想段階で考えていた仕様
この方法だと、マイコンを使って自由にメロディをプログラムできるので、ドラクエのレベルアップのファンファーレでも呪いのBGMでも自分の好きなように音を鳴らすことができます。
で、実際に具体的な設計を進めたのですが、私の技術力では実現が少し難しいことが分かりました。
いくつか課題はありましたが、特にAの「7セグLEDタイマのカウントダウン制御」、これが最大の不安要素で、ちゃんと動作させられるか自信が持てませんでした。
強行的に作ってみた後で無理そうだった場合にどうするか、リカバーが大変そうだぞ・・・と思ったので、やむなく市販のタイマキットを使う方法に切り替えることに。

秋月電子のこのキット、7セグLEDが大きめな為か時限爆弾に妙なスゴみが出た。これはこれで一つの正解だった気もする
キットがAのカウントダウン制御を行なってくれますので、あとは@赤線、青線が切れているかの判別回路とB2種類の音を出力する回路を作れば良いことになります。
この部分をマイコン制御で実現することも考えたのですが、アナログ回路で作った方がラクそうだったのでそちらの方法を選択。

その結果出来上がったのがこちらの回路
実を言うと、この回路のロジック部分の設計が、今回の製作で一番興奮したポイントだったりします。
(ちょっと取っ付きにくい内容なので記事では割愛してしまいましたが)
電子回路の入門書を読むと、ロジック回路についての説明が必ずと言って良いほど出てきます。
AND回路はこういう働きをしていて、OR回路はこういう働きで・・・といった箇所です。
昔初めて入門書を読んだときに「ふーん・・・」と思いながら読み流していた部分だったのですが、今回の製作ではこの知識が活きてくることになりました。
「そうかロジックICというのはこういう時にこういう風に使えばいいのか!」と本で得た知識と実際の製作とが有機的に結びついたような感覚がありました。
分かりやすい例えで言うと、「あっ、ここ進研ゼミでやったのと同じだ!」と言っている進研ゼミの広告マンガの主人公みたいな気持ちです。(分かりやすいだろうか)
結果的に大きな問題が出ることなく回路が動作することが確認できたので、今回の方式(キット+自作アナログ回路)を採用したのは良い判断だったのだと思います。

筐体はホームセンターで売っていた筒状のケースを加工して作製。これもまた時限爆弾を作るためにしつらえられたんじゃないかと思うほどのジャストサイズ感があった
●終わりに
というわけで以上、「時限爆弾」の設計の過程を見てきました。
ドラマとかマンガに出てくる時限爆弾、というベタな題材ではありますが、一応オリジナルなモノが作れた気がして満足しております。
また何か面白そうなものが作れたらデイリーポータルに応募してみたいと思います。