2020年04月28日

ドラマに出てくる「時限爆弾」を自作してみた

DSC_0092.jpg

昔のドラマでよく赤と青の電線が張ってある時限爆弾が出てきた。あれは本当に作れるのか、自作に挑戦してみました。

●ドラマの「時限爆弾」を作りたい
私が子どもの頃のドラマで、時限爆弾を扱うシチュエーションがよく出てきたのを覚えています。

赤か?青か?時限爆弾_説明図_1.jpg
こういうシチュエーション

主人公(あるいはその仲間)が廃ビルのようなところに監禁されてしまい、その横には時限爆弾が。

黒幕から掛かってきた電話をとると、黒幕はこう告げる。

「その爆弾には赤と青の電線がある。タイマーが0になる前にどちらか一方正しいほうを切れ。さもなくばビルごと爆破するぞ」

当時、複数のドラマでそんな状況を見た気がします。

黒幕がなぜそんなクイズみたいな形式で主人公たちに脅しをかけるのか、細かな部分は忘れてしまいましたが、あの時限爆弾装置だけは私の記憶に強く残りました。

それから時を経て、私は趣味で電子工作をするようになり、少しずついろんなものを作れるようになってきました。

今なら、あの装置が自分の手で作れるのではないだろうか、ぜひ作ってみたい・・・そう思ったので、自作してみることにしました。

●自作した結果
で、早速ですが出来上がったものがこちらになります。

DSC_0092.jpg
予想以上に本物っぽい仕上がりになり、自分でも少し怯んだ

もちろんこれ、見た目だけでなく実際に動作します。
(爆発はしませんが)

その様子を撮影した動画がこちらです!


青い線を切ると正解(最後のほうで音が出るので注意)

正しいほうの線を切ると、「ンモ゙ォー」と牛の鳴き声がするシュールな仕様になっております。
(なんでこんな仕様になってしまったのかは後述)

一方、ハズレの線を切った時の様子がこちら。


赤い線を切るとハズレで、アラーム音が鳴る(音が出るので注意)

両方の線を切った場合、あるいは両方とも切らなかった場合もハズレで、アラームが鳴る仕様になっています。

●「時限爆弾」で遊ぶ
せっかくですので、作った「時限爆弾」で少し遊ぶことにします。

DSC_0093.jpg
紙袋に入れてみた様子

これ、見た目がちょっとガチすぎて外に持って行くのが憚られるので、家の中での撮影になります。

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あったぞ!あれが黒幕の言っていた時限爆弾だな!

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まずい!もう時間がない!(赤か?青か?)

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ええい、ままよ!青だ!!

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ンモ゙ォー、ンモ゙ォー・・・(一面に響きわたる牛の鳴き声)

このようにして、世界は再び平和を取り戻したのである・・・


●ドラマの「時限爆弾」の作り方
さて茶番はこれくらいにして、この「時限爆弾」をどのようにして作ったのかを説明させてください。

この装置の電子回路部の構成は下の図のようになっています。

赤か?青か?時限爆弾_電子回路構成_04.jpg

色々と細かく描いていますが、以下、いくつかポイントを説明してまいります。

@タイマーは市販品を使用
まず7セグLEDのタイマー部は、秋月電子(電子工作のメッカのような店)にちょうど良い時計キットが売られていたので、それを利用することにしました。

DSC_0094.jpg
タイマーが0になると外部に信号を出力する機能がついており、これが非常に役立った。まるでこの時限装置を作るために開発されたキットなんじゃないかと思った

A赤と青の線は着脱方式
続いてこの装置の一番のキモである、赤い線と青い線についてです。

ドラマだとニッパで切るのがお約束ですが、それだと切るたびに半田付けして直さないといけないので、コネクタで付け外しができる方式にしました。

DSC_0091.jpg
ドラマの中とは違って、現実の工作では利便性も考えないといけないのである

B正解/不正解の音を出す仕組み
3つ目のポイントは、赤と青の線が切れているかどうかを判別して、正解/不正解の2種類の音を出す仕組みです。

いろいろ考えた結果、こちらのような回路を自作することで落ち着きました。

赤か?青か?時限爆弾_自作回路_02.jpg
ポイントはロジック回路とサウンドIC

細かい説明は省略しますが、この回路にすることで、次の表のようなパターンに応じて出す音を変えることができます。

パターン赤線青線発生音
1切らない切る牛の鳴き声
2切る切らないアラーム音
3切る切るアラーム音
4切らない切らないアラーム音
青線「のみ」を切った場合にだけ、正解の牛の音が鳴るようにしているわけですね

本当言うと正解時の音は、ドラクエのレベルアップのファンファーレ(たららたったったったー)にしたかったのですが、それを実現するのはちょっと難しそうだったので、泣く泣く牛の音にしています。
(他に良さげな音が見つからなかった)

工作というのは妥協の産物なので、ドラクエが牛になるなんてことは日常茶飯事です、諦めるしかありません。

DSC_0092 2.jpg
世の中には牛の鳴き声を出すICが存在することを知れたのが、今回いちばんの収穫か


DSC_0095.jpg
ちなみに、自作回路の基板は装置裏側に取り付けている

●終わりに
この記事の冒頭で、なんでドラマの黒幕はこんなクイズみたいな装置を仕掛けてくるのか、というようなことを言いましたが、「時限爆弾」を作り終えた今なら黒幕の気持ちが少し分かる気がします。

たぶん黒幕は、自分で作った時限爆弾を誰かに見せたかったのではないでしょうか。

こんな面白い装置を作ったから誰か見て!と思って、そのために仕方なく主人公を監禁したりと悪事を働くようになったのです。

作った時限爆弾を見せるのが目的で、悪事を働くのはそのための手段・・・そう、目的と手段が逆だったのです。

DIYが好きな人に悪い人はいないと思うので(偏見)、昔ドラマで見たあの黒幕もきっと根は良い人だったに違いありません。

DSC_0090.jpg
ハリボテのダイナマイト筒に電池とスピーカーを収納しているのがちょっとした工夫ポイント

posted by keno at 20:00| Comment(6) | 工作
この記事へのコメント
とても完成度が高くて、面白いです!
自分は学生なのですが、文化祭で脱出ゲームのようなものを企画していて、これを見ました。
是非これを作りたい!と思ったのですが、基盤を用いた工作の経験がほとんどなく、後半のロジック回路の辺りで撃沈してしまいました。
Posted by ペンギン at 2021年04月21日 20:25
ですが、諦めきれずコメントしてしまいました。
もし宜しければ、必要な道具など更に詳しい情報を教えて頂きたいです。
誠に厚かましいお願いだとは思いますが、どうかよろしくお願いします。
Posted by ペンギン at 2021年04月21日 20:29
返信が遅れてごめんなさい。

実際に製作を検討されたとのこと、嬉しく思います。
(このブログはものづくりの楽しさを伝えることを目的にして書かれているので)

さて、この装置を作るのに最低限必要な道具は「はんだ」と「はんだごて」になります。
貴方の周囲に電子工作の経験がある方はいらっしゃいますか?
そのような方に教えてもらうのが一番手っ取り早いのですが・・・
Posted by keno at 2021年05月11日 21:27
返信ありがとうございます。
最終的に経験のある友人に手伝ってもらいつつ、時計キットのみ組んで、雰囲気のあるカウトダウンタイマーとして制作しました。

紹介されていた主な機能の大部分をカットしてしまったのは残念ですが、秋月電子のLEDタイマーがなんというか、「時限爆弾」感を醸し出していて満足してしまっています。

また機会を見つけてやってみたい思います。
ありがとうございました!
Posted by ペンギン at 2021年05月19日 22:17
ダイナマイトっぽい筒と秋月のタイマキットを組み合わせれば見た目としてはそれらしい感じになるので、とりあえずはそれで充分かなと私も思っていました。

電子工作はネット上の情報には断片的なものが多くて、一から学ぶとなると取っ付きづらいのが残念なところです。
これに懲りずに色々と作ってみて下さい。
Posted by keno at 2021年05月20日 17:32
すばらしい出来映えに感動しました。
こちらの「時限爆弾」をある撮影に使用したく、購買させて頂くことは可能でしょうか。
売り物ではない事は十分に承知しておりますが、ご検討頂けると嬉しいです。
Posted by hana at 2021年06月11日 12:10
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