2020年03月16日

当ブログの記事がデイリーポータルZに紹介されました(2回目)

1週間ほど前のことになりますが、前回のブログ記事(「金田一少年の事件簿」のトリックを再現してみた)が、デイリーポータルZの「自由ポータルZ」のコーナーに掲載されました。

自由ポータルZ_掲載画像(2回目)_01.png

以前、別の記事が同コーナーに載りましたので、今回が2回目の掲載になります。

今回もDPZ編集部の石川さんと林さんが記事についてコメントして下さっている(しかも随分好意的な内容!)のが嬉しいですね。

コメントを初めて読んだ日の夜は、テンションが上がって少し眠れなくなってしまったくらいです。

以下、記事本編には書ききれなかった部分について、補足的に書き残しておくことにします。

●初めての屋外撮影
この記事は、「金田一少年の事件簿」に出てくるトリックを実際に作ってみるという内容になっています。

トリックを作ること自体も面白い経験でしたが、記事作成にあたって一番印象深かったのは、「河川敷での撮影」です。

時限式ボーガン_河川敷_ループあり_01.gif
これですね

記事中、室内での写真がずっと続いているので屋外のカットがあったほうが良いかなと思い、ボーガンの装置を家の外に持っていき動かすことにしたのでした。

ですが、それまで屋外でカメラを回した経験は一度もなかったので、まずどこで撮ったら良いのか悩んでしまいました。

最初、近所の公園で撮影することを考えたのですが、妙な装置(時計とボーガン)を持って動画を撮影して大丈夫だろうか、近所の人に不審人物扱いされないだろうか・・・と不安になり却下としました。

色々考えた結果、家から少し離れた場所に河川敷があることを思い出し、そこで撮影することに。

以前ゴム動力飛行機を作って飛ばしていた時に、河原なら人が少ないので気兼ねなく遊べることを知っていたからです。

そんなわけで、ある晴れた日曜の早朝にいそいそと自作のボーガン装置を持っていき撮影を敢行しました。

IMG_20200224_082803.jpg
実際、人はほとんど見かけなかった

少し話が逸れますが、デイリーポータルの記事には河原での撮影場面がしばしば登場します。

河川敷で空中浮遊っぽい写真を撮ったりハトが選んだ生命保険に入ったりと、デイリーと河原は切っても切れない関係にあると言って良いでしょう。

今回自分も屋外での撮影をしてみて気付いたのは、河原というのはこういった種類の撮影にとても向いている、ということです。

多少奇異な行動をしても咎める人がいない(そもそも人自体があまりいない)、そういった寛容さが河原という場所にはあり、だからこそ河原の場面があんなに登場していたのか・・・と妙に納得してしまいました。

結果的に、今回の記事本編で使った屋外のカットは写真1枚とGIF動画1つだけで少ないのですが(他の部分の分量が多くなってしまった)、撮影を通じて色々と得るところがありました。

●「オペラ座館」再考
話は変わって、記事の元ネタである「オペラ座館殺人事件」についてです。

(以下、ネタバレ要素が含まれますので未読の方はご注意下さい・・・)




今回ボーガンのトリックを作るにあたって「オペラ座館」全体を読み返したのですが、ストーリー構築の緻密さに改めて感心してしまいました。

何というか、全ての台詞とコマが物語の完成度を高めるために作用しており、一つとして無駄なカットがない、そんな印象を受けるのです。

例えば、この部分なんかはちょっとスゴイです。

金田一_P.58引用.png
([原作]天樹征丸/金成陽三郎 [漫画]さとうふみや『金田一少年の事件簿File01』、講談社、2004、p.58から引用)

第一の殺人が起こる直前の食堂でのシーンなのですが、一見すると何ということもない台詞と風景描写が続きます。

ですが、この小さな4コマの中に、後のトリックにつながる伏線が2つ挟まれています。

一つ目が、緒方先生の台詞にある通り、「オペラ座館では食事の席に名札がついており、誰がどこの席に座るかがあらかじめ決められている」点です。

これが後々の「時限式ボーガン」のトリックを実行する上で重要になってきます。

もう一つの伏線が、3コマ目、4コマ目の食堂の風景描写に出てくる「時計」と「人形」の存在です。

こちらもまたボーガンのトリックに関わってくるのですが、真犯人の有森は、この時計とボーガンを組み合わせた装置を人形の裏に忍ばせて早乙女先輩殺害を企てます。

また、合宿最終日の朝、ハジメはこの時計がなくなっていることに気付き、それが結果的に事件解決の手掛かりとなります。

ですので、初めて読むときには読み飛ばしてしまいそうなこの風景描写も、実はなくてはならないコマになっているのです。



この作品の連載開始当時、本格ミステリを題材にした漫画はまだ珍しく、制作者(と編集者)は「今までにないものを作るんだ!」という思いが強くあったのでしょう。

「オペラ座館殺人事件」を読むと、そういった作り手の意気込みや気概がページの端々から感じられて、何か少し感動してしまいます。

「これだけ面白い漫画が売れずして、一体どの漫画が売れるというのだ?」という気にもなります。
(そして実際この漫画は大ヒットした)

●終わりに
以上、前回のブログ記事制作時に思ったことなどをとりとめなく書いてきました。

「金田一」は作品としても面白いのですが、それとは別にアイデアの「触媒」としても優れているようで、2回連続で記事のネタにしてしまいました。

金田一ネタに限らず、また何か面白い記事が出来たらデイリーに投稿してみたいと思います。

posted by keno at 21:00| Comment(0) | 日記
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