2019年07月28日

【音楽】ロマサガのBGMをアレンジしてみた その2「下水道」

下水道_RomancingSaGa_背景画像_01.jpg

ゲーム「ロマンシング サ・ガ」の曲に、「下水道」というタイトルからして地味な曲があります。

地味なのになぜかファンから絶大な支持を得ているこの曲を、アレンジしてみることにしました。

●ロマサガについて
「ロマンシング サ・ガ」は1992年に発売されたRPGです。


「フリーシナリオシステム」を前面に打ち出した作品で、その洗練されたゲームデザインに当時の自分は強く惹かれたものです。

兄とスーファミの実機を取りあいながら、貪るようにプレイしたのを覚えています。

ちなみに、「サガシリーズ」はスクウェア・エニックスの看板作品の一つになっていて、最近だと2018年に最新作がリリースされています。

ロマサガ1の発売当時は、どちらかと言うとコアなファンに受けているという印象だったので、正直そこまで息の長いシリーズになることは想像していませんでした。

なので、もしタイムマシンがあって、当時小学生だった自分に「おい、ロマサガは25年以上経った後も人気があって、新作も出ているぞ」と伝えてみても、たぶん当時の自分はピンと来ないのではないかと思います。

●「下水道」について
さて、今回アレンジに挑戦してみるのはロマサガ1にある「下水道」というタイトルの曲になります。

この曲はいわゆる「ダンジョン曲」で、町の地下に流れる下水道を通るときのBGMになっています。


原曲はこんな感じ

タイトルからも想像できると思いますが、はっきり言ってこの曲のゲーム内での扱いはとても地味です。

ゲームを象徴するようなオープニング曲でもなければ、戦闘を華々しく彩るバトル曲でもありません。

ただただ下水道を通行するときに流れるだけの曲です。

にも関わらず、曲自体のカッコよさや完成度の高さから、この曲はロマサガファンから強い支持を得ています。

その人気のためか、作曲者本人がセルフアレンジをしているくらいです。

地味曲なのに人気曲、まるでいつも教室の隅にいる控えめだけど美人なクラスメイトのような存在(?)、それがロマサガの「下水道」です。

●曲分析
この曲は、次のように構成されています。
曲の構成
イントロ→Aパート→Bパート


・リフ
曲を一聴したときに、まず目を引く(耳を引く)のはイントロで提示される16分刻みのリフフレーズです。

ロマサガ_下水道_説明用1.jpg

広い音域が特徴的な、テクノのようなフレーズで、イントロ後も音程を変えながら曲の終わりまで繰り返されています。

AパートとBパートではこれが主旋律の裏で鳴る副旋律としての役割をしていて、曲に奥行きを与えています。

このフレーズによって曲の完成度が大きく上がっているように思います。

まさにこの曲の要となる、優れたリフフレーズと言えるでしょう。

・主旋律
続いて主旋律について見てみましょう。

ロマサガ_下水道_説明用2.jpg
Aパート初め8小節の主旋律

全体に長めの音符から構成されているのが主旋律の特徴で、先述の細かい刻みのリフフレーズとは対照的です。

主旋律にはどことなく格調の高さが感じられます。

それと同時に物哀しい雰囲気もあって、作曲者 伊藤賢治さんの持ち味が十分に出ています。

ちなみに、Aパートの主旋律はゲーム中の別の曲でも使われていたりします。


例えばこれとか(試練)

元々メインテーマとして使うつもりの旋律が、何故か下水道ほかのテーマになってしまったらしいです。

・「悠久の風」との共通点
ふと思ったのですが、この曲の構成の仕方って、以前アレンジを行なったファイナルファンタジーIIIの「悠久の風」という曲によく似ています。

ロマサガ_下水道_説明用3.jpg
これは下水道の出だしの主旋律とリフ


ロマサガ_下水道_説明用4.jpg
こっちは悠久の風

「下水道」と「悠久の風」の共通点
@イントロで16分のリフを提示、曲中それが繰り返される
Aリフとの対比をとるため、主旋律は長めの音符が中心

曲調はまったく異なりますが、曲の作りとしてはよく似ています。

下水道と悠久の風、どちらも人気のある曲ですので、優れた曲を作る上で有効な一手法なのだと思います。

●アレンジした結果
そんなことを考えながらアレンジを試みた結果、こちらのものが出来上がりました。



少人数の編成でのバンドアレンジになります。

リフフレーズをピアノが演奏、主旋律をバイオリン(というか二胡)が弾き、バックにストリングスとアコースティックギター、そして土台にベースとドラムという構成にしてみました。

主旋律のもつ物哀しい感じが、バイオリンの演奏で強調されたように思います。

原曲がテクノ寄りであるのに対して、本アレンジではアコースティックな方向なのがポイントになります。

●終わりに
今回は、ロマンシング サ・ガ の中から、地味なのに人気という稀有な存在の曲をアレンジしてみました。

アレンジの際に曲の構造を見ていく中で、この曲がファンを惹きつける理由が少し分かった気がしたのが個人的な収穫でした。
posted by keno at 08:00| Comment(0) | 音楽
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