
●前回のあらすじ
前回の記事でリンゴの皮は包丁でむくべきか、それともピーラーでむくべきかを考えていった結果、次の表にまとめることが出来ました。
包丁 | ピーラー | 備考 | |
---|---|---|---|
可食部の減少量 | ? | ? | 要検証 |
技術的容易さ | △ | ◯ | |
邪道/正当 | − | − | 等価 |
包丁とピーラーで「可食部の減少量」にどの程度差が出るのか、これが重要なポイントであることが分かりました。
今回は、その検証を行なっていきます。
●実験手順
可食部の減少量を調べるため、次のような手順で実験を行うことにしました。
実験手順
1. 買ってきたリンゴを包丁で半分に切る
2. リンゴの片割れ(A)ともう一方の片割れ(B)の、それぞれの重さをキッチンスケールで計る
3. 片割れAの皮を包丁でむく(これをA’とします)
4. もう一方の片割れBの皮をピーラーでむく(こっちはB’)
5. 皮むき後のA’とB’の重さを測定する
1. 買ってきたリンゴを包丁で半分に切る
2. リンゴの片割れ(A)ともう一方の片割れ(B)の、それぞれの重さをキッチンスケールで計る
3. 片割れAの皮を包丁でむく(これをA’とします)
4. もう一方の片割れBの皮をピーラーでむく(こっちはB’)
5. 皮むき後のA’とB’の重さを測定する
皮むき前のリンゴの重さA,Bと、皮むき後の重さA’,B’を比較することで、包丁とピーラーのどちらがより多くの可食部を残しているのかが分かるというわけです。
ちなみに当方、料理歴は10年強の腕前です。
ただし、包丁メソッドでのリンゴ皮むき歴は半年程度ですのでご参考までに。
●実験
それでは実際に実験してみましょう。
まずはリンゴを2等分します。

ここは当然包丁で
2等分したリンゴそれぞれの重さを計ります。

使うのは愛用のタニタキッチンスケール
続いて、リンゴの片割れ2つをそれぞれ別の方法でむいていきます。
こちらは包丁で皮をむいたもの。

一方、こちらはピーラーでむいたものです。

見た目にあまり差は見られない
最後に、皮をむいた後のリンゴそれぞれの重さを計って完了です。
●実験結果
重さの測定結果は次の表のようになりました。
包丁 | ピーラー | |
---|---|---|
皮むき前のリンゴの重さ | 142g | 144g |
皮むき後のリンゴの重さ | 121g | 134g |
減損率 | 14.8% | 6.9% |
ここで減損率とは、皮をむくことでどのくらいリンゴの重さが減ってしまったかを表したものです。
減損率=(皮むき前重量ー 皮むき後重量)/皮むき前重量
で定義してます。
さて、この結果を見ると、やはり包丁メソッドでの減損率はピーラーメソッドよりも大きくなっています。
包丁の方が、身の部分を多く削ってしまっているということですが、注目すべきはその率の大きさです。
包丁メソッドの減損率はピーラーメソッドの倍以上なのです。
普段から、ピーラーの方が薄く皮がむけているような気はしていましたが、これほど差があるのは少々驚きです。
念のため、別のリンゴを用意してもう一度同じ実験をしてみます。
(リンゴを食べるための口実です笑)
包丁 | ピーラー | |
---|---|---|
皮むき前のリンゴの重さ | 116g | 135g |
皮むき後のリンゴの重さ | 98g | 125g |
減損率 | 15.5% | 7.4% |
2回目も、やはり同じような結果になりました。
というわけで、「リンゴの可食部の減少量はピーラーの方が少ない」ということが確認されました。
●まとめ、結論
以上、ここまでリンゴの皮むき問題について考えてきましたが、結果をまとめると次の表のようになります。
包丁 | ピーラー | |
---|---|---|
可食部の減少量 | 多 | 少 |
技術的容易さ | △ | ◯ |
邪道/正当 | ー | ー |
この結果から導き出される結論は「リンゴはピーラーでむくべき」です。
ピーラー使った方がリンゴたくさん食べられるし、むくのも簡単だし、包丁で皮をむく理由がありません。
まだ包丁で消耗してるの?と煽っても良いレベルです。
私は今までどっちつかずのやり方でリンゴの皮をむいてきましたが、これからは自信を持ってピーラーを使っていきたいと思います。
●終わりに
今回は、リンゴの皮をむく方法について実験を交えながら考えてみました。
長年の疑問に、一定の結論が出せて良かったです。
皆さんもリンゴを食べる際には、ぜひ今回の結果を参考になさってください。

私の包丁スキルが低いせいもあるかもしれませんね